2.「正義」や「社会価値」を支える認知・神経的な基盤とは?

富や権利の配分を含む「社会のあり方」に関する価値対立は、“Occupy Wall Street” 運動とその世界的拡大に示されるように、今日、喫緊の政治的・社会的課題になっています。本プロジェクトは、こうした「社会のあり方」に関する人間の価値判断がどのような行動・認知・神経科学的メカニズムを持つのかを検討します。具体的には、人文学・社会科学で蓄積されてきた規範的理論(「あるべき行為・社会とは何か」に関する論考)との対応関係を視野に入れながら、計算論的モデリング、MRIを用いた脳画像計測、eye-trackerを用いた視線計測、末梢自律神経反応の計測、内分泌反応計測などを含む、行動・認知・神経科学の研究手法を用いて、さまざまな「社会価値」がどのように獲得され、私たちの心にどのように実装されるのかを実証的に探ります。そして、こうした経験的な知見が、人文学・社会科学に対してどのような含意を持つのかを考えることで、人間の社会的認知・行動に関する記述的(「~である」)理論と規範的(「~べき」)理論を結びつける、異分野融合の端緒となることを目指します。
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日本学術振興会・課題設定による先導的人文・社会科学研究推進事業(領域開拓プログラム)「 ”社会価値” に関する規範的・倫理的判断のメカニズムとその認知・神経科学的基盤の解明」(平成26年10月〜平成29年9月 PI 亀田達也)